プリアンプ Denafrips ATHENA 導入

プリアンプをプリアンプ兼ヘッドホン出力で利用していたSSL SiXから
Denafrips ATHENAに変更しました。

きっかけ

一から機器の再選定を行って

DAC:Denafrips PONTUS II
HPA:Denafrips ARTEMIS

に変更したのですが、SSL SiXで音が詰まっているように
感じるようになったのがきっかけです。

SSL SIX

これを解消するべくプリアンプの再選定を行いました。

メーカーはDACとHPAで十二分な実力を発揮したDenafripsから選ぶことにしました。

Denafirpsから出ている3つのプリアンプを比較して
ATHENAというプリアンプに決めました。

Denafrips ATHENA

Denafripsとは

2012年に設立された中国 深センのオーディオメーカーです。

Denafrips Terminator
海外のレビューで高い評価を得ているFPGA DACが有名ですが、
今回紹介するATHENAのようなプリアンプやパワーアンプなども製造しています。

また、電源に用いるトランスは自社製で
それを用いたノイズカットトランスまで販売してます。

私は2つ製品買って「お酒を楽しむための無味無臭のグラス」レベルの実力があると判断したので、
とても気に入っているメーカーです。

購入先

シンガポールのVinshine Audioがディーラーをしており、
そのサイトから購入できます。

1つ目の製品(DAC)は日本のディーラーを名乗っていた
別の通販サイトから買ったのですが(名称は伏せます)、
日本ではVinshine Audioから購入するのが正規の方法です。

ディーラーに関しては今のままの方がいいです。

すべて英語なので敷居が高いですが、住所の書き方を覚えれば注文はすんなりいきましたし、
メール対応があってもDeepL等の翻訳を駆使すればそんなに難しいことはなかったです。

胡散臭い日本の会社が日本のディーラーになって
サポートが全くダメでメーカーの信頼を落とすくらいなら今の方が良いかなと私は考えています。

ATHENAに関して

Denafripsが出しているフラグシッププリアンプです。

Denafrips Pre Amp Athena

特徴をまとめると以下の通りです。

ボリュームはリレーと抵抗を組み合わせたディスクリートボリュームを採用

音量を調整する部品であるボリュームは音質劣化の肝であるため
各メーカー可変抵抗を良いものに変えたり
リレーやロータリースイッチで抵抗を切り替える方式(ディスクリートボリューム)にしたり
ボリュームICを利用したりするなど腐心している部分であります。

Denafripsでは一番手間がかかるであろう
ディスクリートボリュームを採用しています。

基本的には

  • CPLD(プログラミング可能な論理回路)
  • リレー
  • 抵抗

の組み合わせで構成されており、60段階で音量調節できるようになっています。

音量調節はリモコンからでも可能です。

Denafrips ATHENA リモコン

この構成はDenafripsから出ている3つのプリアンプ共通で
違いは抵抗の差です。

  • HESTIA(エントリーモデル):チップ抵抗
  • HADES(ミドルレンジ):金属皮膜抵抗
  • ATHENA(フラグシップ):MILスペックの金属皮膜抵抗(HPの画像を見ると多分DALE)

徹底した電源ノイズ対策

フラグシップモデルであるATHENAでは
プリアンプで出力する信号のノイズを極力抑えるために
以下の工夫をしています。

  • 電源部と制御部の分離
  • 分離した電源部と制御部の間にミューメタルシートを挟んでEMI/EMF対策を強化する

二段構造にするのはよくありますが、
間にミューメタルシートまで挟むのはひと手間かけてるなと感心します。

物量を投じた電源

上記の電源を分離したこととDACやパワーアンプのフラグシップモデルと同じ筐体サイズのため、
HPの写真をみるとこれでもかというほど電源用のコンデンサが突っ込んであります。

超低ESRにするためと思いますが、プリアンプにここまで必要?と私はすこし思ってしまいます。
ヘッドホンアンプだったら瞬時の電力供給が要となるため、納得するのですが…。

豊富な入出力

入力がXLR * 3、RCA * 1

出力がXLR * 2、RCA * 1

とかなり豊富です。特に出力にXLRが2つあったのがうれしいし、
購入の決め手となりました。

ヘッドホンアンプの2機種の比較試聴や
2つ以上XLR入力を持ったヘッドホンアンプを用いたケーブルの比較試聴、
片方をヘッドホンアンプにもう片方をスピーカー用のアンプにつなげるなどの運用ができるためです。

試聴

試聴環境

環境は以下の通りです。

  • DAC:Denafrips PONTUS II
  • HPA:Denafrips ARTEMIS
  • HP:HDJ-X10改造版
  • ケーブル類:Canare MS-202をベースにした自作ケーブル
  • インシュレーター:TIGLON M1

2022年1月から使っているうちに上記の環境に整ってきたという感じです。

ヘッドホンのHDJ-X10に改造版に関してはHPA ARTEMISのバランス駆動によって
HDJ-X10改造版がフルドライブできるようになったことから
再びメインヘッドホンに返り咲きました。

エージングに関しては他のDenafrips製品と同様に3ヵ月ほど要します。

感想

ナチュラルでシームレス。

音源に命を吹き込むかのように音楽が生き生きと出てくるので、
「再生」という言葉がぴったりはまります。

ケーブルやもろもろの環境を整えれば、
水底から水面へ水が静かに湧くような感じで音が出ます。

この音の出方は全音域で安定させるのはもちろんのこと
各オーディオメーカーが誇る○○トーンといった音の色付けもしないことで
出てくる音なのでぎりぎりまでよく練られているなと感心します。

したがって、今年の1月から買って運用していますが、
文句が全く出ません。

音に粗があればグダグダ言う私から何の文句も出ないということから
実力を察していただけますと幸いです。

気になった点

リモコンの工作精度

リモコンの工作精度はふたを閉しめると段差がわかるくらいにダメです。
操作するたびに段差の感触が気になるので改善してほしいなと思います。

Denafrips ATHENA リモコン段差

ケースの剛性や精度はかなり良いのになんでだろと思いながらネットサーフィンをしていると
別メーカーで酷似したリモコンを使っている機器がありました。

MUSICIAN MONOCEROS(プリアンプ)

このプリアンプも60段階での音量調節となっているので、
CPLD+リモコンでどこかのメーカーがモジュールとして売っているのかもしれません。

外販モジュールを取り込むのは
何でもかんでも自家製にするとすごくコストがかかるし、
DAC ICやボリュームICを買うようなものなので、大いにありと思います。

操作性の悪さ

お世辞にも操作性が良いとは言えません。

特にパネルが使いにくいです。

パネルの電源ボタンにON/OFFだけでなくMUTEまで割り当ててあり
ボタン短押しでミュート、長押しで電源ON/OFFでとなっていますが、
この短押しと長押しの感覚がつかみにくいためです。

フラグシップモデルなのでミュートボタンくらい分離しては?
と思います。

したがって、操作に関してはリモコンでの操作を推奨します。

ただし、リモコンの操作でも
ボリューム調整は数値の上がり下がりが早いことを留意した方が良いです。
最初操作したとき一気に音が上がったのでびっくりしました。

もうちょっとゆっくり上がり下がりするように調整してほしいなと思います。
こちらは慣れれば気にならなくなります。

最後に

音以外では気になる点がありましたが、満足のいく製品でした。

その反面、かなり純粋に音をだすので、
スピーカーとスピーカー用のアンプをその音を受け止められるようなものに変更しました。

そのうち紹介します。

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HDJ-X10

試聴に用いたヘッドホンです。

一度はCZ-8Aに敗れてメインから外れたものの
HPAで大化けして再びメインに返り咲くほどの実力を有しています。

紹介ページ:HDJ-X10紹介

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TIGLON MZ-1

Denafrips製品の足受けに使用しているインシュレーターです。

制震素材の中では私が試聴した結果、
マグネシウムが一番まともなので
インシュレーターとしてTIGLON M-1とMZ-1を使っています。

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機器の足の下に敷くと変な付帯音なく適度に音を締めてくれるので、
使っている機器が自然な音であると感じている方には
相性の良いオーディオアクセサリーと思います。

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