スピーカー Eclipse TD510 MK2 導入

Denso TENのスピーカー TD510 MK2を導入しましたので、その紹介です。

きっかけ

Denafrips製品でDACからプリアンプまで整えた結果、
スピーカーがその情報量に耐えられないと判断しました。

そこで耐えられそうなスピーカーに変えようと思ったのがきっかけです。

TD510 MK2

TD510 MK2とは

TD510 MK2はDenso TEN(旧富士通TEN)が製造しているスピーカー
Eclipse TDシリーズ(以下、TDシリーズ)の高級モデル(HPではハイ・スタンダードモデルと表記)です。

TD510 MK2

このスピーカーのというよりTDシリーズ共通の特徴として
タイムドメイン理論を用いていることが挙げられます。

タイムドメイン理論とは

タイムドメイン理論は音の最小単位であるインパルスを正確に鳴らすようにしてすれば
音楽はインパルスの連続なので原音に近い再生が可能と考える理論です。

詳しい内容はTIMEDOMAINのHP内の「タイムドメインとスピーカー」に記載されています。

大雑把にまとめると

周波数特性で高音や低音がより出ましたなんて誤魔化しやってないで一音一音正確に鳴らそうよ

と主張しているわけです。

現在タイムドメインスピーカーの主な形状は筒型と卵型があり、
TD510 MK2は卵型を採用しています。

この形は箱の付帯振動(以下、箱鳴き)が起きにくいことから採用されているようで
どんな方法であれインパルスを再生できる工夫がされていれば形状は問わないようです。
(上記のリンクで挙げられているONKYOのGS-1がいい例でしょう。)

選んだ理由

過去に見本市で試聴したときに真っ当な音であったことと
Eclipseのコンセプトのページを見て真っ当な設計をしていると判断したことが選んだ理由です。

真っ当な設計であると思ったのは
HDJ-X10を改造するときの方針が「付帯音を極力減らす」であり、
付帯音の消し方が自分がヘッドホンをいじっていて理解できる内容であったためです。

試聴

試聴環境

  • DAC:Deafrips PONTUS II
  • プリアンプ:Denafrips ATHENA
  • プリメインアンプ:nmode X-PM7→Yarland TJ88/34-P4
  • ラインケーブル:MS-202を用いた自作ケーブル
  • スピーカーケーブル:タナフロン 1.25SQを用いた自作ケーブル

感想

聞いた瞬間、「え?」となりました。

今まで聴いたことのない低域が体を駆け抜けていったためです。

昔お世話になったオーディオ屋の巨大スピーカーとオーディオルームの組み合わせでも
お世話になったオーディオリフォーム屋の巨大スピーカーを爆音で鳴らした状態でも
聴いたことのない低域でした。

それからオーディオショップや見本市でTDシリーズを試聴したときもありませんでした…。

そんな馬鹿なと思ってSX-900改造版に切り替えて試聴。

SX-900 改造品

体を静かに貫通する低域が出ないことを確認。
そしてすごく濁っている。

TD510MK2は1wayでスピーカー口径が10cmで周波数特性は42Hz~22kHz
対してSX-900は3wayでウーハー口径が31.5cmで周波数特性は27Hz~50kHz

スペック上圧倒しているものに実動作で圧倒している…。
「なんで?」と思った後に「これがタイムドメイン理論の主張か」と納得しました。

この後、いろいろと曲を変えて試聴したのですが、
曲を変えるたびに空間がごっそり入れ替わるような感覚がとても面白かったです。

何と言いますか、現場の空気そのものを持ってくるような感じなんです。

再生するとただ音楽があるだけ…。

私が望んでいた状態です。

このように極めて素晴らしいスピーカーなのですが、
再生機器やオーディオアクセサリーに対して極めてシビアに反応します。

まず、デジタルアンプ(D級アンプ)は使わない方が無難です。

当初スピーカー用のアンプは今まで使っていたX-PM7にしていたのですが、
聴きながら眠ってしまって目覚めた時に頭痛がして目覚めが悪かったためです。

Nmode X-PM7

1bitアンプのスイッチングノイズ起因のリンギングが原因と思います。

さらにデジタルアンプだったので所々で応答が悪くなる(音が詰まる)現象も見受けられました。

そのため、スピーカーをTD510MK2に変更してから1ヵ月も立たないうちに
スピーカー用のアンプを変更することになりました。

現状の音からTD510MK2はリニアリティが良い(高応答かつスイッチングノイズの類がないこと)アンプじゃないとまっとうに再生できないと考えてリニアリティが良いアンプというと私の中では真空管アンプだったので、色々と調べてYarlandのTJ88/34-P4を導入しました。

Yarland TJ88/34-P4

目論見は当たり応答性とリンギングは見事に解消されました。

おかげで音楽を聴いていて眠ってしまっても気持ちよく目覚めることができます。

あとはカーボン樹脂(ウェット・ドライ関係なく)のアクセサリーもNGです。

ドライカーボン スタビライザー

カーボン樹脂はかなり高域で共振を起こしているようで
低域や残響音を奪うことからかなりひどい音になるためです。

特にバイオリンの演奏曲でその音のひどさがわかります。

私が思うバイオリン演奏の魅力は奏者を中心としたホールいっぱいに使った音の大渦なのですがそれがなくなります。

試しに手元にあったドライカーボンを真空管アンプの出力トランスの上においてバイオリンの曲を聴いてみたのですが、コンサートホールの演奏が4畳半でミニコンポで聴いているような感じになりました。

TJ88/34-P4にドライカーボンを載せた状態

したがって、オーディオ機器やアクセサリーの音が大好きな方はそのクセが嫌になるほど出るので
まず使わない方が良いでしょう。

音楽や映像作品(ゲーム含む)の音が好きでできる限り曇りを取り除きたいという方とは相性がいいです。機器の音のクセを明確に出してくれるので対処していけばどんどん作品の音に近づいていきます。

そのほか注意点

持ってみるとサイズの割に重たいです。

グランドアンカーなど内部にすごく重い部品を使っているためと考えられます。
セッティングする際は十分に注意して行ってください。

最後に

値上がり後に購入したものの、自分が所有する機器がいい具合になってきたころでしたので
いいタイミングで買えたと思っています。

買いたい時が買い時ということでしょうか。

TD510MK2を聴いていて思うのが、体全体で感じられる音というのはスピーカーじゃないと味わえないということです。

ソフトであれハードであれ頭外定位のアプローチを行ってもヘッドホンはヘッドホンでしかないということを思い知らされました。

今まで真っ当なスピーカーの音を聞いていなかったんだなと痛感しています。

さて、EclipseのTDシリーズが気になりながらも購入を避けていたのは昔お世話になっていたオーディオ屋がTDシリーズを猛烈にたたいてことが一因ですが、振り返ってみると以下の通り性能を引き出せるわけがない人の意見を参考にしていたので、失敗だったと反省しています。

  • アクセサリがドライカーボンまみれ
  • 自分の機器で鳴らせない音源は馬鹿音源と評する
    (道路を音楽、車をオーディオと例えれば、道路を走れませんと言っているようなものです…)

というわけで、良いオーディオ屋を探すときはオーディオ屋がTDシリーズの特性をきちんと把握しているかを評価項目に入れておくことをお勧めします。

TDシリーズの特性をきちんと把握しているということは、
「一音一音をしっかり鳴らすことを把握したうえで音の色付けを考えることができる」
といえるためです。

このようにオーディオ屋の評価項目に加えるくらいに一つの極みと言っていいスピーカーと私は考えていますので、お金などに余力があれば制御するのに挑戦してみてはいかがでしょうか?

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そのうち紹介記事を書きますが、使用している真空管アンプYARLAND TJ88/34-P4です。

購入時についている真空管でも十分ですが、真空管を交換することによって音の調整もできるので
TD 510 MK2のアンプ選びに悩んでいるのであれば検討してみてはいかがでしょうか?

 

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