【靴】山崎靴店 シェルコードバン ハンドソーン

 2年前に山崎靴店でオーダーした
10足目の靴の紹介です。

靴の仕様

 靴の仕様は以下のとおりです。

  • 表革:ホーウィン シェルコードバン黒 (持ち込み)
  • 裏革:ボックスカーフ、イタリアンカーフ
  • 底 :レンデンバッハ オークバーグレザー
  • 製法:ハンドソーンウェルテッド

 ホーウィンのコードバンはいいなぁとつくづく思います。
磨けばいい艶が出てくるし、変にテカらないのがさらにGoodです。

山崎靴店 シェルコードバン 現在

 新しいクリームで磨いてみました。色っぽさが際立ちます。

至った経緯

職人と話して

 山崎靴店の職人の靴の作りが好きでこの時点で10足目になっていました。

 せっかくの10足目だから、面白い製法があればそれで作りたいなと思い、
職人の方と話していました。

 すると

「靴は芸術品でなく実用品だよ。だから、無駄な製法は嫌いなんだ。」

と返ってきました。

 続けて

「ホーウィンのシェルコードバンでハンドソーンの靴を作りたい。
 シンプルだけど絶対に余所ではお目にかかれない靴ができるけど、どう?」

と提案がありました。

 面白いと感じ、
ホーウィンのシェルコードバンを手に入れるべく
動き始めました。

色々な人の意見が合わさって

 ホーウィンのシェルコーバンは人気のようで、
思い立った時は碓井のオンラインショップ
「入荷待ち」の状態になっていました。

 入荷を待っている間、後藤さんに出会い、靴を作って頂いて
自分の木型が手に入り、その木型を用いることになりました。

 また、「アッパーもその方にお願いしたら?」という意見もまざり、
アッパーからお願いすることにしました。

製作過程

 木型と革を渡してアッパーからどうするのか伺いました。

「耐久性を考えて履き口は切り通しで、
 ライニング用の革を使わずに腰裏をボックスカーフで固め、
 つま先をイタリアンカーフで柔軟性がとれるようにする。」

 ということで、アッパーの仕様が決まりました。

 出来上がったアッパーです。

 コードバンのゴツさに負けないように
太いミシン糸を使ったそうです。

山崎靴店 シェルコードバン アッパー作成完了

 それが釣り込まれてすくい縫いされます。

 前面

山崎靴店 シェルコードバン すくい縫い完了 その2

 履き口から覗いているのが、木型です。

 背面

山崎靴店 シェルコードバン すくい縫い完了 その3

 きっちり釣り込まれています。
裏革にボックスカーフを使う場合、
釣り込む技術がしっかりしていないと、
釣れないそうです。

 …靴を頼む時、これができるか出来ないかで
職人の腕を試すのも面白いかもしれません。

 裏面です。

山崎靴店 シェルコードバン すくい縫い完了 その1

 土踏まずを支えるシャンクは「革」を使っています。

 ちなみにシャンクは「焼きの入っていない鉄」より、
「革」や「樹脂」の方がしっかりします。

 鉄で頑丈なのは「焼きが入っている鉄」です。

 焼きが入っていないものは手で簡単に折り曲げられるのに対し、
焼きが入ると全くびくともしません。

 「焼きの入っていない鉄」は壊れやすくトラブルが多いとのこと。
誂え靴で中身が見えるモデルがあったら、シャンクは確認しておくと良いでしょう。

 「青白い金属」がシャンクに使われていたら、
ほぼ「焼きの入っていない鉄」と考えて間違いがありません。
そこではオーダーしないのが吉です。

 話を戻しまして、仕上げ一歩手前の状態です。

山崎靴店 シェルコードバン 仕上げ前

 出し縫いをした後かは失念しました。

 繊維が緻密な良い革底を使っているのが伺えます。

 完成です。「実用品の極み」のような佇まいがGoodです。

山崎靴店 シェルコードバン 完成

 背面です。履き口を切り通しているので、
清々しさがあります。

山崎靴店 シェルコードバン 完成 背面

 ヒールとアッパーの間に面がありますが、
これを広くまっ平らにするのにかなり技術がいるそうです。

 履き心地も私に合わせた木型なのでバッチリです。
長時間歩いていてもつかれません。

 いつもの靴よりゴム底が加わってない分、軽快です。

出来上がって思ったこと

 山崎靴店の職人の実力が全部現れ、
余所ではお目にかかれない一足となりました。

 革の調達とか色々とやった甲斐がありました。

 やっぱり、この職人の方は凄いなと思います。
今後、どんな高みに行くのかすごく楽しみです。

 なお、革の持ち込みによるオーダーですが、
山崎靴店の方と相談して下さい。

 持ち込む予定の革が釣り込めるかどうかも含めて
相談にのってくれるとおもいます。

 …そのうち、良い作りの誂靴の見分け方を
掲載します。お楽しみに。

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