【注文品紹介】HPH-MT8用ケーブル
先日、HPH-MT8用ケーブルを製作しましたので、紹介します。
経緯
注文された方はInter BEEにてHD650用ケーブルを依頼されたレコーディングエンジニアの方です。
そのあと、HPH-MT8に変更されたため、こちらから提案をして試作品をだして試してもらっていました。
その後、きちんとした返答がなかったこととその方が関わった作品の音作りが私の感覚に合わないこともありフェードアウトしていたのですが、
1年ほど経過した先月
「試作品ケーブルが壊れたので修理してほしい。お金も支払う。」
と連絡がありました。
そこで、使われていた試作品の修理+今までのノウハウを適用した製品版の制作」で
見積もりをだして提案をし合意を得て対応しました。
修理
まずはケーブルの修理。
届いたのはスリーブを収縮チューブで覆ったものでした。
というのも、選定したスリーブでの試作品もだしたのですが、こちらは高域荒れが気になるとのこと。
理由は単純でヘッドホン側の高域荒れをきっちり出してしまっただけです。
(そういった理由で私はこのヘッドホンが好きではありません。)
なので、音がなまる収縮チューブの方を気に入られたというわけです。
修理した試作品のケーブル
ヘッドホン側のプラグのスリーブ部分がケーブルをかしめて固定できるものではなかったので、
外から接着するタイプの収縮チューブで固定して補強しました。
作成したケーブル
上記のことを踏まえて作ったケーブルがこちら
今まで培ったはんだとプラグのノウハウを加えました。
結果として「よりセンターがくっきりするようになり、ローエンドのアタックとディケイを正確に伝えてくれる感じがする」という感想をいただけました。
アタック=音の入り、ディケイ=音の収束と解釈できることから
私が狙った方向を感じ取ってくださったので、まずまずの出来でした。
こちらは長さ2.5mで1,1000(税込み) (本体10,000 + 消費税 10% 1,000)です。
最後に
壊れるまで試作品を使ってくださったことが素直にうれしかったです。
言葉よりも行動の方が喜ぶ人間ですので…。
行動は嘘つかないし。
それからいい勉強になりました。
ヘッドホンに合わせてスリーブで音を調整することに幅を広げるために
もっとスリーブに関して研究をした方がいいなと感じたためです。