プラグの再検証

 リセット検証第一弾はケーブルに使うプラグです。

 検証した結果、今まで使っていたプラスチックプラグから
カナレのプラグに変更しました。

きっかけ

 以前、Inter BEEで予想外の問い合わせが入ったことをお話ししましたが、
HD650のケーブルを作って欲しいと言うものです。

 その方が持っていたHD650や純正ケーブル、バランス接続、SE接続と
とっかえひっかえ色々と試してもらいましたが、どうも私の作ったケーブルの音を気にいってしまったようです。

 このとき、その方の環境を考えると私が使っているプラスチックカバーのプラグでは
貧弱と判断して強度も含めて最適なプラグを検証することとしました。

検証したもの

 とりあえず以下の条件から候補を絞りました。

  • 高すぎないもの
  • オーディオよりもスタジオで使用実績がありそうなもの
  • ある程度大手のもの(入手が容易なため)

 絞った結果、フォンプラグは以下のメーカーを検証することとしました。

  • ノイトリック
  • アンフェノール
  • いつも使っているプラグ(マル信無線)
  • カナレ

 カナレはフォンプラグが急に入り用だった時に
10個入りを頼んだ時のものです。

 このプラグ、見た目がかっこよくないことから
しまっていた経緯があります。

 スイッチクラフトは上記の中で決まってしまったため、やめました。
後述するRCAプラグで検証した時もピンと来なかったのもあります。

その他の条件

 フォンプラグ以外のパーツはこんな感じです。

パーツ 名称
線材 UL3265 22AWG FUJIKURA製
XLR 4pinプラグ ノイトリック NC4FXX-B

 こんな感じでBAL-SE変換ケーブルを作りました。
(左からカナレ、マル信無線、アンフェノール、ノイトリック)

比較したフォンプラグ

 機器は以下の通りです。
アクセサリー類は多いので割愛します。

機器 名称
ヘッドホン HDJ-X10 改造版
HD650
DAC RME ADI-2Pro + 特注ジャケット(※1)
ヘッドホンアンプ ハイエンドオーディオメーカー製 ヘッドホンアンプ(※2)

HD650

HDJ-X10 (内部改造済)

ADI-2 Pro with ハイブリッドケース

※1:今後、特注ジャケットは挟んでいる材を再検証して構成を変える予定です。
※2:【2018.03.03 追記】名称伏せます。

検証結果

 検証した結果、音質面と強度面を含めてカナレを使うこととしました。

 ノイトリックとアンフェノールは音が明るめで
オーディオ好きな方には相性が良いと思いました。

 反面、「高域が賑やかすぎて下の音を殺して鈍くなる」という現象が起きていました。
ちょくちょく出していた「金属の音」ですし、私は好きでは無い音でした。

 聴いた感じ、ノイトリックが一番賑やか、
アンフェノールが若干おとなしくて「まぁ、使っても良いだろう」という感想でした。

 ただ、もう少ししっかり出てくれるのがあればなぁ…と思って
もうダメ元で聴いてみようとカナレのプラグを使った瞬間…

「あれ?一聴すると鈍く感じるが、全音域きちんと出ている。
 特に低域の安定性が段違いだ。深い低音が出ている。
 むしろ、今まで使っているプラスチックプラグの方が音が不安定に聞える。」

となり、即採用しました。

 プラスチックの方がややハイ上がり(ノイトリック・アンフェノールより大人しめ)、
カナレの方は全音域安定している上にしっかり深い低域が出ていたためです。

 プラスチックはなんとなく軽すぎてぶれているのだと思います。

 安定している反面、プラグの音なんてないので、
オーディオ的にはつまらないと思います。

 私は「機器や材の音質を感じるようになったらおしまい」と考えており、
それが一番少なかったから採用しただけです。

 昔、「かっこよく無いな。なんであのプラグが多く使われるのだろう」と
疑問に思っていたのですが、検証して「形より信頼性」で採用されていると分かりました。

 金属を使用云々ではなく、やはり「何が出来たか」が大切ですね。

 「自分で検証して選択する大切さ」を痛感させられた瞬間でした。
あとは「材に対する偏見」も…。

出来たHD650ケーブル

 できたケーブルはこんな感じです。

HD650用バランスケーブル 試作品

 これで不安だった強度面は解消されましたし、
音も安定方向に持って行けたので、まずまず満足いく出来になりました。

 現在、問い合わせのあった方に渡してテストをお願いしています。
(※:テスト版はSEを使われる方なので、XLRコネクタは付けてません。接点が増えるのは精神的によろしくないし…。)

 今はオフラインで受け付けていますが、
ある程度検証をして使う材が確定したら
オンラインでケーブルの注文を受け付けようかなと思っています。

RCAプラグも再検証

 良い機会なので、RCAプラグも再検証しました。

検証したRCAプラグ その1

検証したRCAプラグ その2

 絞った条件はフォンプラグと同じです。
こっちはREAN(ノイトリックの廉価ブランド)プラグとスイッチクラフトを追加しました。

 線材にGS-4を用いて試した結果、音の安定性でカナレのF-09に決めました。

 高かったなぁ…。ノイトリックのプラグ。
面白い機能のあるプラグだったのでもう少し頑張って欲しかったのですが…。

 この結果も踏まえて、使えるところは極力カナレのプラグを使用します。

最後に

 こんな感じで、今まで誰かの言いなりになっていたと思われる部分を検証して改善します。

 良い機会になりました。

 ただ、どんなものでも使い方次第です。

 私の場合は音がキッチリ安定しないと管楽器の吹いた瞬間とか
弦楽器の弦を弾く瞬間とかが掴めないので、カナレという結果になっただけです。

 音を明るめに持っていきたいなら、
アンフェノールが選択肢になるのかなと思います。(私の場合は。)

 さて、選ぶ時は「誰かの言いなりで」はなく、
自分で検証して自分で決めることを強くお勧めします。

 そうした「何かを選ぶ」部分で参考になりましたら幸いです。

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