【靴】山崎靴店 ギリーシューズ

8月末には仕上がっていたのですが、
ようやく写真を撮る気力が湧いたので、今回の紹介となります。

山崎靴店 ギリー1

「山崎靴店 ギリーシューズ」です。
9足目になるので、この靴は徹底的に凝ってオーダーしました。
凝った部分は以下3点です。
 ・デザイン
 ・革
 ・製法

・デザイン

 ウィングチップを持っていなかったため、作ろうと思ったのですが、
既存製品で面白そうなものはありませんでした。

 そこで、デザインができる若いスタッフの方に
ギリーシューズをベースにデザインを書いてもらいました。

ギリー デザイン画

 このイラストは最終型ですが、ここに到達するまで、
3回デザインの練り直しをしています。

・革

 なかなか良さそうな革が見つからないため、
靴屋さんから「自分で探してみては?」と言われたので、
今年の6月に東京レザーフェアに行って、自分で見つけてきました。
デザイン画を持って…。

 おかげで面白そうな革を見つけられました。埼玉の大東ロマンと言うタンナーの革です。
商売をしている人間ではないのに、一生懸命営業の方が相談にのってくれました。

 相談の結果、下の写真のサンプル革を送ってもらったのですが、見事でした。
この品質で1デシ80円…。舶来のカーフだと1デシ140円位(イルチア・ベティスの場合)するので、
サンプル見た途端に「破格だ。」と声に出してしまいました。

ギリーの使用革

 この中から「スカーレットカーフ」を選んで注文しました。

・製法

 製法もネタ切れになっていました。

 ハンドソーンは無論のこと、ノルウィージャン、ノルベジェーゼと
できるものはオーダーしてしまったためです。
その上、上記の製法ではデザインを生かしきれなかったのです。

 そこで、接客されている方からの提案により、その人が持っている履けなくなったサントーニの
ベンチベーニャ製法の靴を分解・研究して作ることにしました。

 さて、このベンチベーニャ何回か説明をしてもらったのですが、まだ疑問符だらけです。
基本はノルウィージャンで、ウェスト以降はノルウィージャンで縫う部分を中にしまうという認識です。

 できたものをみると、ウェスト以降は縫い目がありません。
おかげで出るところと引っ込むところのコントラストが気持ちいいです。

山崎靴店 ギリー3

山崎靴店 ギリー4

 また、ハーフミッドチックになっているため、返りが良いです。
だけど、ノルウィージャンの安定性は健在です。

山崎靴店 ギリー2

 この製法、気に入りました。次に靴を注文するときも
この製法にしようかなぁ…。

 接客担当の方は「横道にそれた製法」と言っていましたが、
できた靴を眺めて、履いてみると真面目な製法だなと感じました。
靴の役割である「足を魅せること」「安定した歩行を促すこと」を
よく考えているのですから…。

紹介は以上です。余裕が出てきたら今まで作った靴を紹介する予定です。

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